夜マダカ釣りは知多半島エリア独特の釣りで、夜の船釣りでウタセエビ、もしくはアオイソメをエサとしてマダカ(スズキ)を釣る釣り方を言う。片名港出船の船宿では6月1日から8月のお盆前まで、師崎港出船の船宿では6月から7月末までの限定された期間のみ、楽しむことができる。
特にウタセエビを使うマダカ釣りは、非常に繊細なアタリを見極めて掛け合わせる必要があり、この繊細なアタリを読んで合わせる夜マダカ釣りがこの釣りの醍醐味とも言え、掛けてから取り込みまでの強烈な抵抗もあわあせてこの釣りの魅力にはまる釣り人が多い。
マダカの旬は7月から8月に掛けての夏場であり、この時期、このエリアで釣れるマダカの食味は冬場の鳥羽エリアでルアーで釣れるシーバスと並ぶ程とも言われる。
基本的にはポイントとなる場所を見定めてイカリを打つ「かかり釣り」という釣り方で釣りをするが、風の向きや強さ、潮の向きや強さにより、船の位置が定まらない場合はエンジンをかけた状態での流し釣りも行う場合がある。
使用するオモリの号数はその時の潮の速さと水深などの要素で変わるが、主には30号から60号まで使用されることが多く、その時の潮の具合や水深にあわせて仕掛けを付けた道糸が真っすぐになる重さのオモリを使用する。
エビエサを使った時のスーパー繊細なアタリを捉え、合わせるのと同時に始まる力強いマダカのファイト!6月から8月のお盆前までの短い期間しか楽しむことが出来ない特別な釣りであること。
この釣りの醍醐味は何と言ってもエビエサを使用した時の繊細なアタリを見極め、掛け合わせること。その為にタックルに求められる要素は、40号程度のオモリを背負わせた状態で繊細なアタリが取れる感度。喰い込みを良くする繊細さよりも、「コツッ」という小さなアタリを如何に捉えられるかがキモになる。そのため、竿の穂先部分は感度に優れ、張りのあるチューブラータイプがよく、オモリをぶら下げた状態で8:2~7:3程度の曲がりがあり、魚が掛かったらしなやかに6:4程度まで曲がりこむような調子が向いている。また、穂先感度を活かす意味で、竿の全長は2m程度の短めのものが向いている。
ニッチな釣りであるが故、市販の専用竿は出ていないが、市販の竿から選ぶのであれば、ガイド数が多く、高弾性素材を使ったバスロッドのML~Mクラスのものや、ライトジギングロッドのジグウェイト100g程度のもの、硬めのタイラバロッド、又はそれらに準ずる調子の竿などが向いている。アオイソメエサを使用する夜マダカ釣りの場合は、感度重視ではなく喰い込みの良さが求められるため、穂先から胴の部分のしなやかな竿が向いている。
リールについては、この時期のマダカのパワーは非常に強く、糸を出しながらのやり取りを強いられる場合が多い。よって、使用するリールには性能のよいドラグが不可欠である。
道糸は感度の良いPEラインで、太さは1.5~2号程度がメインで、100~150m巻いておく。釣り方のところでも解説するが、棚取りが必要な為、1m毎のマーキングは必須である。なお、リーダーについては無くても良い。
リールは必要な糸が巻ける糸巻き量と性能の良いドラグが装備されていればスピニング、ベイトのどちらでもよく、両軸リールについてはカウンター付きでもカウンター無しでもどちらでもよい。
仕掛けは伊勢尼12号~13号を使ったウタセマダイ仕掛けの中で、2本針のものを使用する。幹糸は6~7号、ハリスは5~6号が標準で、共にフロロカーボン製。ハリスの長さは1~1.5mが標準で、片名港優誠丸の香川船長は1.2mの仕掛けを自作して常用している。捨て糸の長さは1m以内が基本で、捨て糸の長さに応じて海底からの棚取りの高さを調整して釣りをする。
エサ付けは、エビの口から刺し、脳髄を避けてケンの付け根で止める。
エサのウタセエビが配られ、針に刺し、船長の合図で投入となるが、エビが死なないように脳髄を避けて針を刺すことが出来ないと釣りにならない。死んでしまったエサは仕掛けのヨレの原因となり、第一、ヨレてしまった仕掛けでは魚が喰ってくるはずもない。ウタセマダイ同様、上手なエサ付けが夜マダカ釣りの第一関門である。
1人(乗合船) 11,000円(エサ付・氷付き)
※料金は変更される場合があります。現在の料金は船宿さんへ直接お問い合わせ下さい。
※氷も基本的には、料金に含まれている船が多いが、一部の船では有料のところもあるので確認必要。
※師崎の船宿では料金体系が片名船宿と違うため、注意が必要
エサ(活きエビ)を針にセットしたら仕掛けを海底まで沈下させる。オモリが着底したら下針を結んだ親子サルカンが海底から2m程度の位置になるように仕掛けを巻き上げ、アタリを待つ。(捨て糸の長さが1mであった場合は海底から1m巻き上げる)また、船長からの指示で底から3m程度まで棚を探る場合もあるため、道糸は必ず1m毎にマーキングの入ったものを使用すること。
エビエサを使用している場合のアタリはごく僅か。小さく「チクッ」と変化が現れる程度で、そのアタリを逃したらすでにエサは無いことが多い。そのため、棚取りをしたら竿先の僅かな変化を捉えるべく、集中を切らさないこと。アワセはアタリ後、即アワセが基本。アワセが決まり、針掛かりした魚の抵抗に合わせてやり取りをしながら巻き上げるのだが、夜釣りの場合のクライマックスは掛かった魚が海面近くまで浮いてきてからである。船内からこぼれる明かりを感じると、掛かった魚は一層の抵抗を始める。特に大型のマダカは激しく抵抗をはじめMAXパワーで走り出すため、この時にスムーズに糸が送り出せるドラグ性能の良いリールが必要になる。魚によっては海面付近まで泳ぎ上がることもある。フッとテンションが軽くなった時は一気にリールのハンドルを巻いて魚にテンションをかけてやり取りをすること。魚体が海面に見えても気を抜かないこと。ここから最後の抵抗が始まる。時にはマダカ特有のエラ洗いで掛かった針を外そうとするが、マダカが水面を割った時に生じるテンションの抜けが針外れの原因となるため、起こしていた竿を寝かすなどのロッドワークでやり取りをしよう。マダカとのやりとりの際、カワハギ竿などのように胴の部分が強い(曲がらない)竿を使っていると、竿の曲がりを利用したやり取りが出来ないため、バラシに繋がる可能性が高い。先記のように魚が掛かったら胴の部分まで曲がりこむ調子の竿の方が使いやすい。
仕掛けのイラストを見ると分かるが、上針の親子サルカンから上には幹糸が無い。これは取り込みの際、ギリギリまで巻き込めることを念頭に置いた仕掛けであるためである。竿は感度重視のため、長くても2m程度だろう。この長さの竿で上に幹糸の付いた2本針の胴突き仕掛けを使えば、特に下針に魚が掛かった場合、魚を浮かそうと限界まで巻き込んでも魚が海面を割らないことは容易に理解できるだろう。そのため、いっぱいまで巻き上げたら竿を置き、仕掛け糸を手で手繰って魚を浮かせ、船長の構えたタモ網に誘導してネットインでフィニッシュ!釣り上げた魚は誰が釣ったかが分かる印をつけて沖上がりまで活かしておき、沖上がり後に船長が血抜き、締めを行ってもらえる。なお、この釣りはウタセマダイ釣りとは違い、撒き餌は撒かない。
使うエサは活きたウタセエビとアオイソメだが、大型狙いの場合はウタセエビ、小型の数釣り狙いであればアオイソメを使用することが多い。アオイソメエサの場合はエビエサほど難しい釣りではなく、喰い込み~アタリまでが分かり易い。感度の劣るタックルを使用しなければならない場合はエビエサよりもアオイソメエサを使用して釣りをした方が釣果が期待できる。アオイソメエサの場合仕掛け、棚の取り方共にエビエサと同様で、海底から船長の指示棚まで仕掛けを上げてアタリを待つ。コツコツのあとの本アタリでアワセを入れて針掛かりしたら魚の引きに合わせながら巻き上げればよい。
夏の夜の片名~師崎前 昼の暑さを忘れられる夜釣りの船マダカ釣り!エビエサを使った繊細なアタリと掛かってからのファイトが釣り人を熱くさせる!
釣りの仕掛けやタックルには地域差がある場合がございます。釣りをする場所にあった道具や仕掛けをご用意ください。
※ ページの内容は予告なく変更する事がございます。予めご了承下さい。
監修 イシグロフィッシングアドバイザー 宮崎 (愛知・滋賀エリア担当) 2019年4月更新
船釣り・沖釣りの時の服装・持ち物は、ふねつりを応援するイシグロオーシャンプロジェクトの特設ページでご案内します。
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釣りやレジャーで貸し船・遊漁船・プレジャーボート・水上オートバイに乗船される方は法令によりライフジャケット着用の義務があります。
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釣りには専門的な用語がいっぱい。最初は難しいけど覚えるとさらに面白い釣りの世界が広がりますよ。
わからない釣り用語を聞いたらまずここで調べて覚えましょう♪
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