静岡県から愛知県を中心に釣り具の店舗販売を行う「イシグロ」の釣り人のための情報ポータルサイト
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています.
この店舗のブログ一覧へ

工房の日常・・・カセ・イカダ竿の穂先作成依頼

2022/08/22
  • 1,730 view
  • ロッドビルディング・カスタム

こんにちは。

タックルオフ工房の曽根です。


今回は

イカダ竿の穂先作成依頼

です。

それほど多い依頼ではないですが、年に数本あります。



今回はシマノ

「フィラート150」

の穂先作成です。


純正は先端一節折れてしまっています。

ご希望内容は、

「折れていない状態と同じような調子で、かつ先端部分の色を変えて作ってほしい」

とのことでした。


まずは素材選びです。

これが一番重要で、

いかに削る量が少なく済むか?

元の調子に合わせることができるか?

は、このベースの素材選びで決まります。

今回はちょっと苦労しましたが、何とか見つけることができました。


穂先のベリー部分を、純正と同時に曲げてみたところ、比較的同じ調子になりました。

今回はこの穂先を使用してみます。


込み側のカットする位置を決めます。

この位置が、バットからのつながりの調子に大きく左右します。


今回先端は10cmカットです。

カットすると、先端部分の太さは0.8mmほどになります。

これを 0.35mm まで削っていくことになります。


この穂先は極先調子です。

選んだ素材は軟調子の為、先端をカットして削り込むことで先調子にしていきます。


モーターで回転させながら、耐水ペーパーで削っていきます。


折れた直下のガイド位置で調子を確認してみます。


ほぼ同じくらいの調子になりました。

ただ、これは先端部分の調子があっただけで、穂先のベリーからバット部分の調子まで合っているという訳ではありません


調子が削り終えたら、込み部分の削りを行います。


曲がりもおおよそ同じ感じで削れました。


穂先の塗装をします。

今回は先端部分は無塗装。

下を黒で塗装というのが、お客様のご希望です。


ミニクロガイド(MKG)を取り付けます。

写真撮り忘れましたが、穂先部分は白のスレッドで巻きました。


ガイド部分はこのような配色をご希望されました。

本来スレッドの色で再現しようと思いましたが、塗装の方が発色がいい為、

TOHO 蛍光塗料 サングロー

を筆塗りしました。

スレッドを白に下のは、発色をよくするためです。


この蛍光塗料をしっかり乾燥させたのち、エポキシを薄く一回塗りました。

溶剤に弱いこの蛍光塗料ですが、エポキシを塗ることで丈夫な塗膜ができます。

この時塗るエポキシには溶剤を入れてはダメです。

溶剤を入れると、蛍光塗料が溶け出します。


他のガイドもエポキシコーティングをすれば完成です。


こんな感じの仕上がりになりました。

先端部分の調子はかなり近くできましたが、バット周りは少し純正よりも柔らかかったです・・・

この辺りは完成後、実際に曲げてみないとわかりません。

あまりに違う場合はやり直しですが、今回は許容範囲と判断させていただきました。


カセ・イカダ竿の穂先作成の基本工賃は、今現在

「10,000円」

です。

これは、パーツ代と削り代、穂先の塗装、ガイド取り付け(ミニクロガイド)含めての金額です。

オプションで、SiC・トルザイトガイド使用、先端部分のウレタン塗装、ガイドの足のカット…などがあります。

今回は調子を出すために、先端部分の足のカットを行いました。

追加料金は「1,000円」です。

またガイド部分の蛍光塗料塗装も追加料金になりますが、先端部分の塗装が不要だったため、今回は相殺とさせていただきました。

ということで、作業代金は

「11,000円(税抜き)」

となりました。


穂先作成のご依頼をお考えの方はご参考ください。

ただ、ご自分で作れば

2~3,000円位で出来てしまう

ので、できれば挑戦してもらいたいですね。


タックルオフ工房では、メールや電話での問い合わせの他、

オンラインでの相談

も受け付けております。

直接物を見ながらやり取りができるので、より詳しい対応ができると思います。

よろしければぜひご利用ください!


TOPへ戻る

釣り投稿

閉じる