こんにちは、
リメイク、リペア担当の福田です。
今回の依頼内容は、
遠征五目竿の作成依頼です。
山梨県のお客様からオーダーを頂きました。
サイズや指示確認の為、
当店まで足を運んでもらいました。
持ち込みパーツを使用して、
今回は、遠征五目ロッド作成依頼です!
お客様が選んだガイドは、
富士工業さんのHBSG2081ガイドセットです。
ロッドブランクが長い為、
ガイドサイズの8を、
2個追加しました。
ブルー基調での仕上げ、
ガイド脚部もスレッド指定。
ブランクは、高密度グラスBソリッド、
長さ2100、元径11mm、先径2.4mm
持ち込みアルミバットに合わせて、
全長は230の指定となります。
元部を20cmカットし全長の調整を行う。
それでは、
ブランクにスレッドを巻いて行きます。
スレッドを詰めて、密巻きし隙間を無くす。
スレッドの巻き終えた後から、
表面をガラス棒などで馴らします。(擦ります。)
スレッド断面は、丸(サークル)から、
押し潰されて楕円(オーバル)になり、
スレッドの表面積が増し、
より隙間を無くす事が出来ます。
コーティング前の下準備として、
スレッドを馴らす事により、
エポキシ後の色ムラを無くす事にも繋がります。
日に当てながら、表面馴らしが足りない所のチェック。
足りない所は、
ガラス棒でゴリゴリ馴らして行きます。
段々と面の馴染みと、
表面の艶が見て取れるので確認し易いです。
コーティングします。
ロッドメーカーにセットします。
ブランクの角度や、
再度ロッドメーカーの固定をチェックします。
ロッドメーカーの回転力で、
台が動く時がありますので、
テープを貼って固定します。
見た目の淡い色は、かなり沈みます。
コーティング前が右側です。
コーティング後が左側です。
色合いの沈み方は、
スレッドによって変わります。
簡単に確認したい場合は、
スレッドに溶剤をかけて、
色が沈んだ状態を再現します。
あくまでも参考の範囲です。
コーティングを2回かけてからの研ぎ出し作業中です。
コーティングを2回かけた後、
表面のデコボコを、耐水ペーパーで研ぎ出します。
個人的に多様する耐水ペーパーの番手は、
荒削りで400番。整えで600番。仕上げで800番。が、
耐水ペーパーの作業順番としております。
コーティング後に耐水ペーパーをかけた状態です。
表面は、山と谷が発生しています。
見た目は、デコボコが少ない様に見えますが、
ブランクに指を乗せて、
スライドさせるとはっきり感じ取れます。
そこから表面の研ぎ出しを行います。
耐水ペーパーに水を付けて、
表面の艶(光っている所)を
削って行きます。
耐水ペーパーで表面を削り出した状態です。
まだまだ細かく光っている所があるので、
削って行きます。
この谷間の光を、
しっかり研ぎ出し処理を行います。
前工程のスレッドをしっかり馴らす作業は、
研ぎ出しを、
綺麗に成功させる為の下準備なのです。
厚みが均一に仕上がっていれば、
高低差は少なく、
コーティング後の研ぎ出しも、
苦労無く、表面処理が出来るはずです。
表面を削り、光る所(高低差からの作業不足)が、
多いのは、研ぎ出し不足です。
もう一つ、考えられる事は、
生産後の製品ブランクの状態によります。
どちらにしても丁寧に、
表面を削り馴らさないと、
次に進めませんので、
光っている所を削り馴らして行きます。
ストッキング使用、しごき塗装実施。
新品で購入したストッキングは、
表面コーティングが施されています。
新品のストッキングに、
そのままエポキシを浸み込ませて、
しごき塗装をすると、
エポキシを弾きます。
新品のストッキングは、
中性洗剤で、表面保護コーティングを、
しっかり洗い流してから、
ご使用をおすすめします。
使用する大きさも、
手のひら2つ分位をカット使用します。
受け皿の準備。
しごき塗装する時に、
必要な受け皿を作成しました。
プラスチックトレーにビニールを被せて、
こぼれたエポキシの受け皿を作ります。
トレー中央に、ティッシュを2.3枚置き
こぼれたエポキシを浸み込ませます。
エポキシ用意。
エポキシ、比率はA剤1:B剤1:溶剤2で作成します。
エポキシは良く混ぜて、しごき塗装の道具を準備。
受け皿、コーティング剤、ストッキングを用意します。
ビニールの 薄手、手袋用意。
安くて、使い捨ての薄手ビニール手袋です。
しごき塗装時の必需品です。
おすすめ品。
サビキ手袋、イシグロ各店で販売しています。
フリーサイズなので、
余った長さを指の根元に引っ張ります。
遊びが出ない様に、
自分の指の長さに合わせて下さい。
しごき塗装を始めます。
エポキシは、ストッキングの中央から浸み込ませて行きます。
ストッキングにエポキシを浸み込ませます。
エポキシは、ストッキングにしっかり染み渡る様に、
少し握り浸み込ませます。
浸み込ませたストッキングの中央にブランクを挟みます。
ストッキングを2枚重ねた中央に、
ブランクを挟み一定の力で握りながら、
ブランク根元から穂先に向けて、
ゆっくりスライドさせて行きます。
その時、左手に用意したトレーも、
滴り落ちるエポキシを受け取りながら、
一緒にスライドして行きます。
しごき塗装終了です。
エポキシコーティングが、
塗れているかどうか確認するには、
表面の艶(光の筋で判断)が、
1本の筋で根元から先端まで通っているか確認します。
エポキシが塗れていない所は、
色がくすんでいたり、
光の反射が無いので、
直ぐに確認出来ます。
もし、塗り残しを発見した場合、
再度ストッキングで、
根元からしごき直しとなります。
1回塗った場合、
ストッキングの滑りが悪くなります。
そして、1回目に塗ったエポキシを擦り取る形になり、
コーティングが薄くなります。
その為乾燥後に、
再度しごき塗装の2回目が必要となります。
(個人差があるので、
乾燥後の状態判断となります。)
フロントグリップを作成します。
ウレタングリップ!!軽くて、
加工がし易いです。
今一番当店で、
売れているフロントグリップです。
従来グリップと比べて、
細身になり、軽くて強く、
何よりも加工し易い事が、
一番おすすめ出来ます。
グリップ接着後の加工作業。
デザインナイフや、
カッターの刃を新しく交換し削って行きます。
簡単にサクサク切れます。
フロントとリアの段差は、
ベルトを巻く時に邪魔になるのでカットします。
ほとんど力を入れる事無く、
スムーズに処理出来るのでおすすめです。
フロント部から加工して行きます。
メーカーでフロント、リア共に、
ベルト巻き用の基準段差を、
作ってくれていますが、
ベルトを巻く時に、
(自分の作業工程では、)邪魔なので、
カッターで段差を削って行きます。
カッターの刃は必ず交換して実施。
フロントくびれから刃先を入れて、
段差分の厚みをスライスして行きます。
刃が新しいと、ほとんど力を入れる事なく、
スライス出来るので、
時間は掛からず簡単に処理出来ます。
ウレタングリップは、おすすめです!
表面を薄くスライスする事に意識し、
無駄な力や、刃先の角度を入れない事が重要です。
こんな感じです。
上写真より、気持ち細身に手直ししました。
フロント部に、 ベルトを巻きます。
東邦産業のスケルターワークスシリーズ。
カラーテープバット用(ブルー)を指定使用。
ベルトの質感や丈夫さ、加工のし易さ、
品質はおすすめです。
長さは、1.2mあり、
フロントやリア処理でも対応出きます。
ベルト間に入れる飾りリボンも、
東邦産業のスケルターワークスシリーズ。
デコレーション・ストリングを3本使用します。
3本を合わせてベルトと巻いて行きます。
ベルトの仮組みをします。
フロントグリップにベルトを仮組みします。
ベルトの進入角度を確認します。
デコレーション・ストリングも一緒に巻きます。
ベルトと一緒にたるみが出ない様に、
角度と力の入れ具合を確認しながら、
巻いて行きます。
テンションは、しっかり掛けて巻く。
ベルトはフロント用ではありませんが、
角度の付け具合と、
デコレーション・ストリングを中に入れる事により、
よれやたるみを緩和出来ます。
段差のヨレが、
フロントに出ていますが後処理できます。
グリップエンドまで巻き終えました。
フロントとリアを、セロハンテープで止めます。
リアエンド部のベルトを、キツくテープで固定します。
余分なベルトはカットします。
フロントもテープにテンションを掛けて巻きます。
隙間を無くすコツは、
雑巾を絞る様に、
フロント、リアを絞り上げます。
コーティングします。
コーティング後のリア。
コーティング後のフロント。
加工中にキズが付かない様に、
マスキングテープを4,5周巻きます。
フロントの余分なベルトをカットします。
フロント部約20cmに飾り巻きを行います。
飾り巻きのセンターを出します。
後は、交互にスレッドを組むだけ。
ブルーのスレッドを巻き過ぎない程度に終了。
フロントのスレッド巻き終了。
リアのスレッド巻き終了。
コーティング開始。
これから厚目にコーティングを3回程します。
ネームプレートの位置確認。
お客様の希望によりネームを入れます。
ネーム コーティング位置は、
必ず、前後のバランスを、
確認してから決めます。
作成大詰め!
指定書式のネーム入れは、
お客様が特にご要望でしたので、
慎重に行う。
ネーム貼り完了!
前方、後方のバランス角度をチェック。
ネームシールを貼って、
コーティングします。
完成しました!
コーティングの乾燥状態を確認後、
お客様へ完成TEL!
週末は相模湾へ、
ワラサ釣行のご予定でした。
釣果吉報を待つ!!
作成した私も、
ファーストヒットの魚が、
とても気になります。