こんにちは、
リメイク、リペア担当の福田です。
お客様からお預かりしたこちらのグリップ。
現在ダウンロックの状態から、
アップロックに交換して欲しいと
依頼を受けました。
それでは、作業を進めていきます。
ダウンロックからアップロックへ変更!
エバフロントグリップから、
エバ材を綺麗に剥がして行きます。
エバフロントに、
マスキングテープを、
縦に真っ直ぐ張ります。
デザインナイフの刃は、
必ず交換して下さい。
マスキングテープは、
エバグリップを、
等間隔で取り巻く様に、
貼ります。
マスキングテープに沿って、
デザインナイフを入れていきます。
ブランクまで到達しているか、
手応えを感じるまで刺し込みます。
マスキングに沿ってデザインナイフで、
切り終ったら、
バナナの皮を剥く様に、
下方向にゆっくりと力を入れると、
綺麗に剥けます。
メーカー毎に接着剤が、
違ったりするので、
物によっては苦労する可能性はありますが、
基本的には、
この作業でエバグリップは綺麗に
剥けると思います。
力任せに作業を行うと、
エバが途中でちぎれて余計に、
作業が増えます。
慎重に!
綺麗に剥けると気持ちが良いです。
フロントエバ部終了!
お次は、リアへ!
こちらも同じ要領で作業を進めます。
バッドエンド部は、
丁寧に作業を行い、
ワインディングチェックを、
外して行きます。
チェックは再利用出来るので、
キズを付けない様に、
変形させない様に、
作業を進めます。
力を入れる作業ですが、
無理やりの作業はしない。
場所と角度を、
探りを入れながら、
効果的な箇所から
作業を行う。
マイナスドライバーで、
剥がし易い箇所を探ります。
フロントエバと同じ様に、
イメージは、
バナナの皮を剥く様に、
力任せは駄目です。
ゆっくりと押し広げながら、
剥いていきます。
ブランクとエバの根元に、
マイナスドライバーを、
ノミの様にスライドさせて、
剥がして行きます。
力加減とドライバーの進入角度が、
分かってくれば、
テンポ良く処理出来ます。
終了!!
エバのフロント、リアを剥がした所です。
エバ材のカスを綺麗に取り除きます。
純正品の質感に近いエバを選び、
これからフロント、リアの長さと、
エッジ部の加工を行います。
その前に、
パイプリールシートを外します。
熱収縮チューブで、
パイプシートを覆い隠せる長さにカット。
熱収縮チューブの30パイ使用!
フロント部フードを外します。
チューブを被せて、収縮させます。
遠目からゆっくり熱を加えて行きます。
加熱の度合いは、
気を付けないとパイプシートの変形に
繋がるので注意!
加熱が一番難しいので、注意しながら行います。
熱の伝道率が良い物から緩んで外れます。
バットエンドのゴムは、破壊します。
ゴム下の処理もアーバーにカーボンパイプを使用してあり
強度アップされている。
カーボンアーバーも綺麗取り外し、
後から再利用します。
パイプシートの収縮チューブを外します。
パイプシートの変形はありませんでしたが、
リールシート中央のメーカーのシールが、
熱で溶けてしまいました。
予測出来たのですが、
シールの厚みがあった為、
そのまま掛けて実施してしまいました。
シールの質にも寄りますが、
チャレンジされる方は、
シールを綺麗に外して頂ければ、
再利用出来ます。
パーツも全部揃った所で、
作業の手順を確認し、
組み上げていきます。
パーツの組上げ順の確認と、
仮組みを行います。
フロントエバの長さを確認し、
マスキングテープで印を付けます。
カッターの刃は交換し、
エバ材のマスキングテープ印に
刃先を沿わせてエバを転がしながら、
カッター刃の胴部分で押して切ります。
カッターの刃を交換すれば、
簡単に作業が進みます。
刃は必ず交換して下さい。
刃が古いと切れ難い事と、
切り口の断面がザラザラになります。
カッター作業の時、
上手く切るコツは、
息を止めて切るか、
吐いて切るかです。
エバ材のエッジを加工します。
旋盤機に固定しエバ材のエッジを加工します。
削る箇所の角度と削り幅を、
目見と感覚で処理。
耐水ペーパーの600番で荒削りしてから、
800番と1000番で処理します。
フロントエバ材の完成。
フロントエバのエッジ角が、
リアエバの角度基準になります。
リアエバ材処理も完了。
エポキシボンドで接着します。
カーボンの表面処理を行ったバットに、
等間隔でコアテープを貼ります。
後は接着のみ。
一度仮組みをして、
隙間が無く、パーツがスムーズにセット出来るか、
必ず確認します。
接着完了。
金具も接着します。
接着剤がはみ出したら、
溶剤で綺麗に拭き取ります。
リアブランクに、
エバ材加工品の接着に入ります。
接着完了!
バットエンドも、
カーボンアーバーを接着します。
後は、ゴムキャップを接着します。
エポキシははみ出る位に付けます。
溶剤で拭き取れば綺麗になります。
乾燥して出来上がりです。
ダウンロックから、
依頼された、アップロックへ完了!
お客様にも大変喜ばれ、
ブログ掲載も快く御了承されました。