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自作派必見!曽根流 カセ・イカダ竿作成方法 パート②

2019/04/13
  • 26,189 view
  • ロッドビルディング・カスタム

こんにちは。

タックルオフ工房の曽根です。

前回のパート①に引き続きイカダ竿作成の工程をご紹介します。

リールシートの加工に入ります。

今回使用するリールシートは富士工業製の「TVS」パイプシートです。

元々はスピニング用でしかもアップロック専用で使用されるリールシートです。

しかしイカダ用の下向きのリールではリールシートは握りません。

ダウンロックで使用した時のフィット感がイカダリールに意外とマッチしてくれます。


今回フードはKDPSを使用しますが、少々ネジ部分が長い為・・・


余分な部分をカットします。

写真のようにマスキングテープを綺麗に巻きつけることで、まっすぐ歪みなくカットしやすくなります。


カットしたらヤスリで綺麗に処理します。


この時ねじ山が薄くなってしまう部分があります。

この後塗装しますが、このままだと使用しているうちにこの部分が折れてしまう可能性があります。

折れてしまうと塗装も剥げてしまいますので、事前に折れないように処理するか、削り落としておく方がいいです。


内側のバリもデザインナイフで綺麗に処理します。


全体をペーパーで軽く処理し、足付を浴しておきます。

このように湾曲した部分を磨くには東邦産業の「マジッククロス」が最適です

この後ブランクと、リールシートに下地材のサンディングシーラーを吹き付けます。



シーラーを吹き付けることで、小傷を消すことができ、またこの後の塗料の密着もよくなります。

特に富士工業製のリールシートはこの下地処理をしないと表面にブツが出てきます。

シーラー硬化後マジッククロスで全体を磨いて平らにします。


ここで一つ忘れていたパーツの作成がありました・・・(^_^;)

バット部分のブランクとグリップのつなぎ部分に取り付けるパーツです。

文では説明しにくいですが、後々わかっていただけると思います。

寸法どりしてカットしていらなくなったブランクの下部を用意します。


ブランクに通して・・・


寸法を測って・・・


カットします。


表面を研磨して面取りもします。


完成したパーツはここで使います。

下の完成している竿のリールシートの上についているパーツとして使用します。

このままでは味気ないので、リールシートと同色で塗装をしていきます。


今回は大理石調の塗装をします。

マーブル塗装と呼ばれたり蛇紋塗装と呼ばれたりもします。

今回は真綿を使用します。

プラモデルを作られる方の間ではよく使われている方法ですね。

換気扇のフィルターや三角コーナーのネット、ウエットティッシュなどでもできます。

使用するものによって、模様が変わりますので興味のある方は色々とお試しください。


真綿を使う場合は一度クリヤーのラッカースプレーを全体に吹き付けます。

写真のようにダンボール等で枠を作り全体に吹き付けします。

ラッカースプレーはホームセンターで安売りしているもので十分です。


塗装すると目が埋まり「ゴワゴワ」した感じになります。

この後手で隙間を広げたりして好みの模様が出るように調整しても構いません。

このようにして真綿マスクを作ります。

詳しくはネットで検索してみてください。

モデラーの方達から色々紹介されています。


サンディングシーラー後、一度ウレタンの黒を塗ってからシルバーを塗ります。

黒を塗るのは発色の向上と、ムラを無くす為です。

今回使用したシルバーは、地元静岡の塗装屋「ZEST」さんのアルミ調塗料です。

使い方によって、メッキ調にもアルミ調にも塗れる優れものです。


ベースのシルバーが塗れました。


先ほど作った真綿マスクをかぶせます。


その上から黒を塗装します。

この時使用する黒ですが、私はウレタンでなくラッカー系を使用しています。

ミスターカラーに代表されるプラモデル用の塗料が使いやすいです。

ラッカー系の特徴として乾燥が非常に速いということがあります。

今回のようにマスクを繰り返し行って塗装する場合、乾燥が早いことで作業性がいいことがあげられます。

またプラモデル用として水性塗料やエナメル塗料がありますが、これらは使用できません。

乾燥が遅いということもありますが、この上に塗装するウレタン塗料に負けて色が流れたり縮みが起きやすい為です。

そうならない方法もありますが、一般的には不向きと思っていただいていいと思います。


クリヤーイエローにクリヤーオレンジをちょい足しした塗料を塗りゴールドにしました。

この上にクリヤーを2回ほど掛け深みを出しました。

忘れて後から作ったリールシート上に取り付けるパーツも同じ塗装で処理しました。


ブランクは黒で塗装しました。


カーボンロービング補強した先端部分も一緒に塗装してあります。

全く段差は目立たない仕上がりになっています。


カーボンブレードホースを巻いた部分はこんな感じです。

市販品にあるようなカーボン柄が出ています。

単なる飾りでなくバットの硬さと強度をアップさせることができ実用的なチューニングになります。


フロントのスクリュー部分の組み立てをします。

今回使用するのは左から・・・

KDPS-16(IC)

CB-K16SC

ALH15-KN16

K16-ST3(G)

K16-CBTOP15(G)

となります。


まずそのままでは長い「CB-K16SC」を半分にカットします。


「AH15-KN16」は上部のパーツが外せます。


これをマタギさんの「K16-CBTOP15」に変更します。

これは好みの問題です。


実際にKDPSに組んでみます。

当然長い為はみ出ますのでカットします。


まずはこの長さを測ります。


更にK16-CBTOPののりしろ部分も測ります。


その二つの数値の合計+1ミリくらいでカットします。

1ミリ余分にカットするのは組んだ時にK16-CBTOPがしっかり奥まで差し込めるようにするための安全策です。


深さが浅いとK16-CBTOPが浮いた状態になってしまいます。


仮組でしっかりクリアランスが取れているか確認しましょう


底上げが必要なときはマスキングテープで行います。


このようにマスキングテープに数か所切れ目を入れることで、接着剤の入る個所を作ることができます。

このようにしてエポキシ接着剤で接着していきます。



リールシートに取り付けるとこのような感じになります。

今回は全体の色調を黒金で統一してみようと思いました。



リアグリップの加工に入ります。

リールシート下のパーツは以下のパーツを使用します。


RSR-TVS16

D17-VF

ESK-Spa-SU13


今回使用するリアグリップ「ESK-Spa-SU13」はリールシートに合わせると少々大きすぎます。

このリールシートに合わせて細身のグリップにしてもいいですが、イカダ竿としては少々細くなりすぎてしまいます。


そこで上記のパーツをこのように組み合わせて使用することで段差をなくします。

それとともにデザイン性もアップします。

D17-VFは本来の使い方ではないですが、合えばどのように使っても構いません。

このままでもいいですが、EVAを加工して・・・


このように加工します。

全体的に一皮細くするのと、下部に段差をつけます。

この理由は後程・・・


D17-VFとくっつけてみると少しEVAの方が細くなっています。


ここに取り付けるのが「熱収縮ラバー」です!

EVAよりも若干大きくカットして・・・


ヒートガンで熱して収縮させます。


余分な部分は旋盤機にかけてカットしてしまいます。


EVAに作った段差はラバーをかけることtでなくなります。

色がEVAと変わらない為、パッと見た感じではラバーがかかっているとはわからないレベルにできます。

このラバーをかけることで、EVAグリップの問題となる、ダンゴの匂いの染み込みがなくなります!

リアのエンドグリップの加工です。

ベースとなる東邦産業の「EVAグリップタイプ1」を加工して作りました。


削りたてのEVAは表面が荒かったり、白っぽくなったり、ヤスリの筋が入っています。

これはアルコールランプの火でさっと炙ることで・・・


黒々とした表面によみがえります!

※アルコールランプの取り扱いにはご注意ください。


このEVAだけではちょっとさみしいので、「ALDR-D17」を組み合わせます。


この他リールシートとブランクのつなぎ目を隠すための「D16-FR」

セパレート部分のワインディングチェック「HTWC-B」

バットエンドの「AEC-CAP23」

リールシート内部に入れるカーボンパイプ「MC25-15」

メインのカーボンパイプ「G-MC50-13」


これらを組み合わせてグリップを組み立てます。


まずリールシートTVSの内径に合う15mmのカーボンパイプ「MC25-15」を接着します。

このパイプは25cmありますので、リールシートに合わせてカットします。


この接着にはどうしても接着剤があふれてきてしまいます。


アルコールを含ませたティッシュや綿棒を駆使して綺麗に取り除きます。


メインのパイプ「G-MC50-13」を接着します。

リールシートに接着した「MC25-15」の内径は13mm、「G-MC50-13」の外径は13mm弱です。

多少の隙間がある為、このように「スペーサーテープ」で軽く底上げします。


リールシートにデコレーションリングの「RSR-TVS16」を接着します。

リールシートの穴にぴったり合う形になっているので底上げ等の加工はいりません。


続いて「D17-VF」を接着しますが、これは底上げが必要です。


ノギスで厚みを測ると「2.48mm」ありました。


そこでスペーサーテープを「2mm」幅でカットしたものを作り・・・



パイプに巻きつけます。


これでちょうどぴったり合います。

「2.48mm」よりも少し狭い「2mm」にしたのは、金属パーツからはみ出さない為です。

また若干の隙間ができることで接着剤が流れる部分にもなります。


後は加工したリアグリップを接着し・・・


セパレート部分の「HTWC-B」を接着。


この後エンドを取り付ける前にもう一つの「HTWC-B」を忘れずに入れておきます。

忘れると取り返しがつきません・・・


エンドのEVAグリップを取り付け位置を決めるため「ALDR-D17」を合わせて確認します。


取り付ける位置にマスキングテープをして接着します。


先ほど入れておいた「HTWC-B」を接着します。


「ALDR-D17」を接着しますが、隙間がある為底上げします。

スペーサーテープでもいいですが、今回は「スーパーハイブリッドアーバー」を使用しました。


ぴったり合うように、内外径を加工します。


これで接着します。


バットエンドの「AEC-CAP23」の接着に入ります。

こちらはスペーサーテープの細いタイプを使用して底上げします。


ぴったり合うのを確認して・・・


接着します。


これでグリップ部が完成しました!

パート②はここまでです。

次回は竿を完成させます!

パート③へGO!⇨

パート①を見たい方はこちらからどうぞ!⇨


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