~アカエイの締め方~
生きたまま魚体を釣り上げてしまうと、足元で暴れて尾の毒針に刺されるとのこと。
自分は海面に近いボート釣りで釣ったため、①口元にギャフを掛けて保定。腹が見えるようにして縦泳ぎさせる(口~エラ穴が見える程度まで海面から出す)→②目と目の間を目打ちで突き、キッチンばさみで左右のエラ穴を切り広げ、奥にあるエラを切る→③エラ穴(時々口も)が海中に沈むようにし、時折上下に揺すりながら血を抜ききる(*血の量が多く時間がかかりました)→⑤徐々にヒレの縁のひらひらとした動きが鈍くなり、腹側の体色が白から黄色味を帯びていき、ヒレやエラ穴の縁がオレンジがかってきます→⑥血を抜ききったら引っ張り上げて尾の毒針をカット→⑤時間をおかずに解体。
~アカエイの解体~
ネット検索を参考に。血抜きがしっかりできていれば出血は少量。ただしタコ並みのぬめりがあるので、自分は下にペットシーツ(吸水ポリマー入りのトイレシート)を敷き、ニトリルゴム手袋(食肉、水産物加工対応のもの)装着。切れ味のよい出刃包丁は必須。ゴミ袋は防臭素材製(クロリン化成株式会社のBOS・LLサイズ)。
①アカエイを腹ばいの姿勢にする→②魚体の盛り上がりに添って出刃包丁の刃を入れ、ヒレを切り取る。ヒレの形状は、上から皮・肉・板状の軟骨・肉・皮と、食パン2枚にハム・分厚いチーズ・ハムを挟んだサンドイッチ状態。まずは背側からヒレの中央にある軟骨部分まで切る(皮にぬめりがあるので、手を切らないように注意)→③裏返して腹側も同様に切る(内臓を傷つけないように)→④左右のヒレを切り取ると内臓とハラモの境目が浮いてくるので、頭側、尾の付け根にある軟骨の形に添って刃を入れ、ハラモを切り取る(尾には細かなトゲがあるので、尾を抑える時はゴム長を履いた足で踏んで抑えた方がよいかもしれません)→⑤可食できそうな部分を切り取ったら、残った魚体を海に流し、岸壁を洗って片付ける。(両目の下にある噴水口に指を入れれば持ち上げることができます)
~アカエイの下処理~
①皮にたっぷり塩をまぶしてよくこすると、ぬめりがメレンゲ状の塊になって落ちます→②流水でよく洗い、皮がキュッキュッとなったらぬめり取り終了→③ジップロックLサイズに入る大きさにカット→④流水でよく洗う(臭いの元となるアンモニアは水溶性なので水でよく洗うことで臭いがなくなるとのこと)→⑤ジップロック、BOS防臭袋に入れてクーラーボックスへ。氷でよく冷やしながら持ち帰る。(解体・下処理までで1時間)
~軟骨と皮の除去~
軟骨ごとカットしての調理法もあるようですが、某放課後日誌漫画によると切り取った方が食感がよいとのこと。
①魚の三枚下ろしの要領。軟骨に添って刃を入れ、身を切り離す。片面終えたら裏返して反対側も→②手で皮を剥ぐ方法もあるようですが、自分の力では太刀打ちできずwバター焼きにした後、包丁で切り取りました。(下処理から調理開始まで2~3時間。調理時間は1時間)
~皮と身について~
皮にはゼラチンが多く含まれ、加熱すると柔らかくなります。ソテーや定番の煮付けも作りましたが、皮つきだと皮だけでお腹がいっぱいにw切り取った皮はカレー粉焼きにすると美味しくいただけました。鶏皮よりも柔らかく甘い・・・。生の身は弾力がありますが、線維にそって剥がれてくるので食感自体は柔らかく、再加熱しても固くなりませんでした。(逆に冷めてしまうと固くなります。食べる直前に温め直してください)骨がないので食べやすく、下処理が上手くいったためか臭いもなく癖もなく。肉の代用として何の料理にでも使えそうです。
生の切り口を見ると線上の赤身と白(ゼラチン?)がサシで入ったように見えましたが、白身魚の区分でよいのでしょうか?魚と鶏肉の中間のような食感です。
何かの味に似ているなぁと考えたところ、モウカザメ(ネズミザメ。鮮魚店でたまに切り身を見かける)に似ているような気がしました。フードプロセッサーでミンチにすれば、つみれや練り物も作れるかもしれません。
・・・尾を除去しても60~70cm四方のkg単位。3日がかりで消費する量の肉がとれたため、軟骨、ヒレの先まで手が出せませんでしたが、手間を掛ければ自家製エイヒレも作れるようです。ひったくられるような引きも重さも解体も、はじめてのアカエイ釣りは「釣り」ではなく「狩り」でした。ナウマン象とったどーみたいなw何かの経験値が上がったような気がします。
シチューにも。 野菜は、ニンジン・タマネギ・セロリ・サツマイモ。 煮込む時はひたひたの水から。S&B 袋入りブーケガルニを1袋入れて一緒に煮込む(袋はルウ投入前に出す)。市販のシチューのルウに牛乳たっぷり。