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こんにちは、リメイク、リペア担当の福田です。
今回の依頼は、投げシーズンが到来すると、
毎年、当店をご利用して頂いているお客様です。
ストリップ仕様(新品持ち込み)に、
ガイドKWGの小径(ダウンサイズ)タイプを、
指定位置に取り付けます。
新品ストリップ仕様のスピンパワーです。
TKWガイドで、穂先に向かう前方は 小径ガイド仕様です。
チタンガイドと、チタンシートで軽量化!
今回のガイドチョイスも個性的で、
通常のガイドサイズより小径で揃えています。
ラインの放出時、バタつきを押さえながら、
抜けて行くイメージは強いです。
リールシートも、個人の感覚が違うので、
投げ易い位置に合わせます。
試投後、
微調整されるお客様もいらっしゃるので、
その都度手直しをお受けします。
ガイドの脚下にテープを貼り、
ブランクを保護します。
ガイド位置を変更する時に、
エポキシボンドを剥がし易く、
ブランクにエポキシ焼けが移らない優れもの。
ストリップ仕様に、
ガイド取り付けのお客様には定番品です。
サオヒロ総巻きスレッド、(パープル)。
スーパースレッドは,
細過ぎず、太過ぎず。
総巻きには、おすすめ品です。
豊富な色合わせで楽しめます。
カラーによって、コーティングすると色が沈みますが、
それも一つ楽しめる要素です。
ブランクの下地カラーにも左右されるので、
カラーテイストを重視されるお客様は、
注意が必要となります。
TOP ガイド取り付け。
#1のスパイン(背側)は先に位置を決めて、
ラピーをトップから下貼りして行きます。
各ガイド脚の長さと、ガイド指定位置を確認。
TOPガイドリングから、
固定1Gリングまでの長さを確認。
ラピーの貼る位置も確認して、
先に下地のラピーを貼ります。
リングからリングまでの長さを確認します。
ラピーテープは2mm出し指定、
2mm内側から巻き始めます。
両足ガイド内側のラピーも2mm出し、
しっかり長さをチェックして行きます。
遊びが出ない様に、ガイド脚の根元までしっかり巻き上げます。
スレッドが淡い色ですと、
下地のラピーが透けて見える事が多いです。
スレッドも一定の力で、隙間を詰めて巻き上げます。
巻きの隙間があると、コーティング後に、
透けて見える所が非常に目立ちますので、
しっかりと詰めて巻き上げます。
次のガイドへ移り、指定のガイド位置確認。
ガイド位置を確定しても、
ラピー位置がズレていたら失敗です。
再度、測り直しと、貼り直しになります。
集中して作業を進めないと、
何度でも同じ所で足止めとなります。
1回目のコーティングを実施。
コーティングすると、
スレッドの色合いが沈み、
かなりイメージの変化があります。
右が塗る前、左が塗った後になります。
1回目のコーティングは、
A剤1:B剤1:溶剤2で配合しコーティングしています。
エポキシの粘度を低くし、
浸透率を高めます。
ガイド脚巻きの空洞部に、
溜まっている空気を抜きます。
コーティング後の乾燥中に、
空気が押された状態で、固まる時があります。
この気泡を処理する為の、
確実な方法として実施しています。
希釈し、浸透率を高め、
気泡になりうる空気を抜きます。
アルコールランプでの、
炙り出しの方法もありますが、
抜き切れない空気は、気泡となり,
コーティングされてしまいますので、
希釈をおすすめします。
この場合、コーティング剤の粘度と、
浸透率のバランスが、取れているか?
が重要です。
#2のスパインを出します。
#2は曲げてスパインを出す事が難しので、
平らな所で#2をゆっくりと転がします。
何回か転がすと、一定の回転速度では無い所が出ます。
不規則な回転位置を見つける事が、
スパインを見つける事に繋がります。
その回転の乗り上がり部
(良く見ていると、湾曲線を描きますので分かります。)が、
ブランク素材が重なり合った場所のスパインとなります。
#1は、#1を曲げて体感で探って確定出来ますが、
#2は#1の様に曲げて確認が難しので、
視覚での確認となります。
他にも#2のスパインの出し方として、
#2ブランクの口に栓をして、水面に浮かせて回転させると、
スパイン部が重く下を向くので、簡単に分かると言うやり方ですが、
ロッドの長さ分を確保する水槽等も無いので、
今回も平らな所で転がします。(転がし確認は慣れです。)
ラピーテープです。
便利なテープですが、絶えず作業時は手を洗います。
手垢、汚れ、油は厳禁です。
汚れは、コーティング時に、エポキシを弾きますので、
巻きの時点から気を付けています。
指紋も付きますので、
溶剤で拭きながら作業を進めます。
最後のガイド、7点目を巻き上げます。
ガイドが大きくなると、
ガイドの取り付け股の隙間が大きくなるので、
ラピーの長さと位置バランスは、
仮組みを数回行い、チェックをしてから、
本番に入ります。
7点目のガイドと、TOPガイドまでのセンターラインを確認する。
7点目ガイドを巻き終わり、
TOPとのセンターを確認します。
各ガイドを取り付ける時、
TOPガイドを基準として取り付けますが、
スレッドを巻いている時にズレが生じ、
段々とセンターが曲がってしまいます。
ガイドを全部取り付けた後に、
再度センターを確認しガイドを
動かして微調整します。
作業は、的確に、素早くがイチバンですが、
その流れに乗って失敗する時もあるので、
ひとヤマ作業が、終わる毎に、
必ず「間」を作り緩急の作業バランスを取ります。
チタンリールシートの取り付け。
バットエンドからの指定位置を確認します。
バットのリールシート矢引き位置は、
一番重要な場所です。
ストリップ仕様を選ばれるお客様の、
最大のポイントです。
位置選びは、
十分に時間を取ってから決めて頂いています。
ガイドの大きさとガイド位置。
リールシートの位置。
バットエンド部のウェイトの組み合わせ。
上記の3点のバランスで、
個人の一番投げ易い場所を探し出し、
自分に合った竿を作れる事が、
ストリップ仕様の利点と面白みだと思います。
それに付け加えて、スレッドも、
好みでカラーチョイスが出来、
シーズン毎にスレッドカラーや、
リールシート位置、ガイドを交換すれば、
もっと使い易いロッドになると思います。
是非!お試し下さい。
チタンリールシートの脚部エッジ削り作業。
チタンシートの削り過ぎに注意。
スレッドの乗り上がり面が稼げれば良いので、
エッジを舐める程度の削りで済ませます。
リールシートとブランクの接地面の確認。
エッジの角度を鋭角に削り過ぎると、
リールシートの脚がラピーテープを突き破り、
ブランクに食い込みキズを付ける時があります。
スレッドの乗り上がりを、
助ける程度の削りでOKです。
ラピーテープの3枚同時位置確定を行います。
シートの確定位置から、
ラピーテープ位置を割り出して貼ります。
貼る基準は、
固定位置(シートの脚部内側から固定箇所を決定します。)
を見定めます。
確定位置から外側にラピーを貼る。
リールシートの内側確定位置から、
今度は外側にラピーテープを貼り、
脚の保護スペースと、
巻き上げる長さ分を測り貼ります。
ラピーテープ貼り内側位置完了!
リールシートの中央と両サイド内側は、
これで確定ですが、心配なので、
リールシートを、
マスキングテープで止めて再度位置確認。
位置再度確認中!
シート 中央部、両脚サイド内側共にラピー2mm分を確認。
仕上げは、フロント、リア両脚分のラピー貼りとなります。
これで、リールシート位置分のラピーが貼り終りました。
これで、リールシート脚部の糸巻きをする、
3箇所の保護ラピー巻きが完了しました。
リールシートの取り付け、糸巻きコーティングをします。
フロント、リア共に、長さを確認し、
均等にラピーテープ貼り終了!
リア部からスレッド巻きを行っていきます。
センターを巻き、最後はフロントを巻きます。
リールシート脚部巻き終了。
マスキングテープを外し、ラピーテープのバランスを見ます。
ラピーテープは便利ですが、
貼る時の処理に時間が掛かります。
ようやく、スレッド巻きも終わり、
これからコーティングに入ります。
角が出てしまいました!
抜き糸時、スレッドをしっかり処理していない状態で、
コーティングを行うと、
この様に、角、ヒゲとイメージの悪い表現をされます。
これから、この出っ張りを処理して行きます。
マスキングテープの細を用意し、
スレッド巻き始めの縁を4周程度マスキングします。
こんな感じです。
コーティングしたスレッドの表面を削ります。
デザインナイフで、角をカットします。
艶が無い所が、角発生場所です。
これから、全体を耐水ペーパーで削ります。
耐水ペーパーを使用し表面研磨処理します。
耐水ペーパーは800番と1000番を使用し、
コーティングした表面を全体的に研磨します。
部分的に研磨すると、
厚みが均等ではなくなるので、
再度、スレッドコーティング部を、
全体研磨し再コーティングします。
研磨作業で、角も綺麗に除去出来ましたので、
再度コーティングします。
表面処理完了!
抜き糸時に確認を怠るとこの様に、
再度、手間と時間を掛ける事になりますので、
ご注意下さい。
仕上げコーティングします。
少し厚めにコーティングしてあります。
完成です!
今回も当店ご利用有難う御座います。
毎年ご指名で、
ご注文をお受けさせて頂いています。
ロッドメーカー回転乾燥時には、
他のお客様も興味深々で、
投げ竿、ストリップ仕様をお持ちの方からは、
金額と納期を細かく聞かれたりと、
次の注文に繋がり盛り上がっています。
お客様からは、
ブログ掲載も快く承諾を頂きました。